みんな大好き上杉実くんフューチャリング回。
DVDのvol.4に入っている解説書のなかに福田さんのインタビューが収録されていて、「ここに『演技をする人間』がいますってことを何とか見せな!」という意気込みで臨んだとおっしゃっているとおり、8話は実のころころ変わる表情がたっぷり堪能できます。
カーレンジャーの5歳児、上杉実
アクセルブレスを無くした実がどういうリカバー方法を取るかっていうストーリーなんですけど、無くすまでがもう、5歳児レベルの知能じゃないかっていうくらいバカ天真爛漫な生き方でもうヤバイ!
故障した軽トラックを診るだけの技能知識もあるし、市民を蹴散らすボーゾックへの正義感もあるのに、大人としての理性がゼロ!!
母性をくすぐるかわいさ!
アクセルブレスを無くした原因も、グリーンレーサーが一人でボーゾック倒して、浮かれて「正義はかならず勝つんやー!」というオリジナルポーズを取っていたからっていうのも、お調子者の実らしいよねー。
何も考えない楽天家なのでアクセルブレスを無くしてもどうになると思っていたらしい実はダップにねだります。「はよ新しいアクセルブレス出してんか?! クルマジックパワーで!」
ホントこの辺、幼児っぷりが甚だしい。目についたおもちゃをねだる幼児そっくり。
そんな実くん(5)にダップママは厳しかった。実にビンタするダップ。
このシーン、ダップが体全体を使っているのでビンタよりも殴るっていうほうが正確な表現っぽさある。
無くしたアクセルブレスはこの世に一つしか無く、もちろん代わりも無いということを知って衝撃を受ける実。
そういう大事なことは最初に説明しておくべきじゃないのか。
いや、説明してもカーレンジャーたちの頭に入らない可能性大だったな。
それはそれとして、ここからの実くんの一連の表情変化にご注目ください!!
「もうグリーンレーサーになれない」という告知を受けて「嘘やろ!」と取り返しのつかない過ちに動揺し、床に崩れ落ち、「あほやな、おれ……カーレンジャーとしては失格なんやな……」と涙を流し、天を仰ぐ。
そして「責任はキッチリとらせてもらうで!」とキリッとした顔つきで覚悟を決める実。
目まぐるしいほど表情が入れ替わる怒涛のシーン、スゴすぎない?
実(5)も成長する
人間が成長するときって、失敗したり挫折したりという経験がきっかけになっていることが往々にあるんですよね。
実にとって「アクセルブレスをなくしてグリーンレーサーに変身できない」ということが、それまでの自分を見つめ直す契機になっています。「すぐに軽率な行動をとる自分」や「困りごともダップに頼れば解決する」という考えが甘かったと気づいたことが「あほやな、おれ」という言葉に込められていますね。
そこから立ち直るのが早いのも実の特徴(というかカーレンジャー全般的に言える)なので、地頭がいいように感じられます。理性だけはお母さんのお腹に置いてきてしまったらしい。
さて、彼の「責任の取り方」なんですが、地道で泥臭くってすごく実らしい。他のメンバーが同じ立場だったらこういう方法は取らないんじゃないかと思います。全力でアクセルブレスを探そうとする気がする。
一般市民としての実が血を流して傷ついていく様子を見てられなくて、思わず助けを出そうとするカーレンジャーたちを止めて冷静に解説するダップ、やっぱり厳しいママだな😅
見てられない4人の気持ちもわかります。一般市民VSボーゾックの画が、カーレンジャーの世界観からしたら異質ですし。
カーレンジャーになれない実は今後4人の足を引っ張る存在になってしまうけれど、それでも一員として有り続けるという強い意志を行動で示しました。「お前は激走戦隊カーレンジャーだ」というレッドレーサーの言葉に見ていて救われます。
だから実が伸される前に4人が助けに入っても、1人のミスをチーム全体が請け負うってことになるのでそれはそれでいいと思うんだけど、実に少し反省してもらおうというダップママの教育方針なのかも。
無くしたアクセルブレスは奇跡的な経緯で実の前に降ってくるけど、なんか努力した人に幸運が訪れる感じが童話っぽくて良いなぁって思います。
戦いが終わったあと、ダップが「激走戦隊カーレンジャーがまた一つ大きく成長したダップ」と総括したのを受け、実が「そうやねん」と調子づいて触れ回る様子から、性質ってそうそう変わらないもんだと思わされますね。
でも、今回の経験を踏まえて実が5歳児から成長したことは確かです。小学校入学できるくらいの精神年齢にはなった。たぶん。
まあ恭介たちも実のアクセルブレスを投げあってからかうような精神年齢ですし……。
激走戦隊カーレンジャー第8話「変身腕輪不携帯」はDVDのVol.1に収録されています。