【カーレンジャーで学ぶ労働法】激走戦隊カーレンジャー第9話「星(スター)へのUターン」

星へのUターン




9話は全48話で相当浮いている、異色だ、と思われる方が多い回だと思います。

宇宙の子どもたちの憧れのヒーローだったマックスが、ボーゾックに洗脳されて皿洗いにされていただけでも結構衝撃的なのに、そのうえ悲しい最期を迎えるなんてなんだか違う番組みたい……。

日常パートがいつものカーレンギャグなので、返ってマックスの物悲しさを引き立てているように感じられます。

これ、ほんとにカーレンジャー??

でも、ゲストキャラが死んでしまったり、ちょっと切ない話って昭和の戦隊シリーズにはしばしばあります。

そんなノスタルジーを嗅ぎ取ってしまう9話です。とにかく8話との落差が激しすぎぃぃぃ!

開幕当初から昭和

巨大化したBBドドンパ(劇中では名前を呼ばれていない)から攻撃を受けるカーレンジャーたちからスタートって、ちょっと面食らうんだけど、じつはコレだけで「現実ではない世界の描写」って分かるんですよ。

ボーゾックがまだ巨大化アイテムの「芋長の芋ようかん」を発見する前に登場したBBドンパは巨大化していないから。

このシーン、じつは恭介の夢だったっていうオチなんだけど、ボーゾックの再利用といい今回のロボ戦をこういう形で挿入するやり方といい、なんというか大人の事情が垣間見えますな……😭

 

話は戻って、5人が巨大化した怪人の足元にいて地上から巨大マシンを呼び出すカメラアングルが、昭和の戦隊で毎週のように見た構図で懐かしい感じがします。

恭介の夢のなかの出来事なので、彼も戦隊シリーズを見て育ったのかなぁなんて想像しちゃいますね。

問題があるのは恭介なのか社長なのか

会社の中で夢を見るほど寝こけていたばかりか、起こされて社長に逆ギレするってかなりの問題社員っすなー。

実際の労働法では、恭介のような「働かない社員」でも「クビだ!」の一言では解雇できません。
もしこれで解雇された場合は違法になりますので、逆に恭介から賠償請求があれば、復職は難しいにしろ会社はかなりの金銭賠償は避けられないでしょうね。

 

ショートコント「クビ」。とも言うべき社長との小競り合いのあと、ペガサスから出ていく恭介。

「今度ばかりはおれ、絶対辞めるからな! それでも止めたいなら、おれ、公園にいるから!」

 

4人の会話からすると、社長と恭介はしょっちゅうこんなケンカを繰り返しているようで、鉄板のショートコントなんだね。

恭介は辞めると言いつつ、みんなにケンカの仲裁に入ってもらい会社に留まるよう引き止めてほしいという思惑がありありと見えます。

 

こういう場合、退職の意思とみなされるのでしょうか。

じつは「辞めます」と言っただけでも退職の意思表示となりますが、恭介くんのように「本当は辞めたくないけど辞めると言ってしまった」。あるいはあとで「気が変わった。やっぱり辞めない」と言い出すことも有りえますので、会社は社員に退職届を書いてもらうほうがいいでしょう。

 

恭介の言い分によれば、テストドライバーとして入社したはずが自動車修理ばかりしているので、仕事に身が入らずつい居眠りしてしまうとのこと。

求人票に書かれた内容と実際の職務内容が違っていることは直ちに違法とは言えません。

じつは、会社から渡される労働条件通知書には、「就業の場所及び従事すべき業務」を記載することになっています。

ここに「テストドライバー」と書かれていたのに実際の業務が自動車修理だけだと、恭介のように「辞めます」と一言のこして飛び出ても問題ないと労基法第15条2項で定められています。

(原則としては、雇用される期間が決められているかどうかや会社の就業規則によって、いつまでに退職の意思を会社に示さなければならないかが決められています)

 

もし、契約時に社長から「仕事が少なくてテストドライバーの仕事よりも修理の仕事のほうが多そうだし、その間は給与がコレくらいになるんだけど」などの説明があれば、「それでもいい」と入社したのに仕事をサボる恭介くんのほうが問題になりそうです。

いずれにせよ入社する前に労働条件はしっかり確認し、不明点があればその場で質問したり、契約書を持ち帰って検討するなどして、ちょっと図々しく思われても未然にトラブルを予防するのも会社員の必要スキルなのかもしれませんね。

ペガサスは社労士入れたほうがいいと思う

話はズレますけど、ペガサスのような「社長がワンマンでパワハラ!」とか「すぐにサボる社員がいる!」だとかいう会社って一体どうしたらいいんでしょうか。

社員が労基署に駆け込んで相談すれば会社や社長は良くなるでしょうか。

労働法通りの手順で退職せざるをえないようにすれば「使えない社員」はいなくなるかもしれませんが、他の社員はどうでしょうか。

 

こういうときこそ、社会保険労務士の腕のみせどころ。

会社が法律を守るように就業規則を定めたり指導するだけでなく、会社が使える助成金を提案したり、ときには社長の相談相手にもなります。

一方、社員の職業観を育み、問題行動をとる社員に対してもそれが問題であると認識させ自律できるよう、会社とタッグを組んで成長させるお手伝いも可能です。

 

つまり会社が成長しながら社員にも働きやすい環境づくりのサポートを行うのが、社会保険労務士という職業です。

ペガサスのような会社でも、社労士が顧問することで劇的に変わる可能性があります。

変身すると人格が変わる

公園で不遇をなげく恭介に声をかけるダップ。
宇宙のスピード王マックスに憧れて自分もドライバーになりたかったと語り始めるダップ。
当時を思い出したのかいつしか涙が頬を伝うダップ。

故郷は爆発、両親は生死不明、幼少時の憧れの英雄も事故死……。

ダップの前半生は結構な闇に彩られてる。

しかも使命感の薄い地球人5人を「激走戦隊カーレンジャー」に育成してボーゾックに対抗しなければならない。

ダップの動機はボーゾックに対する復讐心からというのは推測できるんだけど、なにも行動しないと悲しみに潰されてしまいそうだから、というのもあるのかなーと思いました。

その場から逃げるように立ち去ったダップを複雑な顔で見送った恭介。
ダップの話を聴いて、自分の子どもじみた振る舞いを恥ずかしく思ったように見えました。

 

レース中のアクシデントにより死亡したマックス。他の戦隊だったらとても悲しいシーンなのにそこはカーレンジャー、一筋縄ではいかない。

マックスが激突したのが「宇宙空間に浮かぶ自販機」ですよ。観ている私の気持ちのやり場に困ります。

ダップに残された恭介が空を見上げると、運転できないボーゾックが地球に飛んでくる。不慣れな運転をするうちに自販機に衝突。

このボーゾックのお掃除係だったKKエスこそ、グラッチによって記憶を失っていたマックスだった。
自販機にぶつかった衝撃でマックスは記憶を取り戻す。

 

ここで思ったのは、グラッチの最大の発明って「物忘れ水鉄砲」じゃないの? ってこと。

人為的に記憶喪失状態にさせるし、なぜか顔かたちも変わるって恐ろしい武器じゃん。これカーレンジャー相手になんで使わなかったんだろうね?

グラッチ、ボーゾックの幹部なだけあるぜ、恐ろしい敵だな。

 

再びグラッチたちに記憶を失わされカーレンジャーと敵対するマックスだったが、飛び込んできたダップをかばって倒れてしまう。

ここからの展開は熱い流れで、とくにレッドレーサーVSゼルモダの一対一の戦闘シーンはすごく見応えがありますね。

それだけでなく、レッドレーサーになってからの恭介はまともなことしか言ってないので、記憶を失ったのは恭介なんじゃないかという気さえしてくるよ……。

 

悲しいマックスとの別れを経て恭介も感じるところがあったようで、「少しくらい嫌なことがあってもペガサスを辞めるわけにはいかない」とつぶやく。

すかさず「うん、恭介えらい!」と褒める実。

ほんっっっと褒め上手!!

まぁ、ペガサスに戻るなり恭介は社長にケンカ売るっていうオチなんですけど。やっぱり問題社員だと思うなぁ😰
笑えないよぉ……

小ネタ

  1. ゼルモダとグラッチが逃げるときに、「持つべきものはグラッチ様って感じ?? みたいな〜感じ?」って4話に続いて言ってますね。こういう、被せてくるの好き。
  2. マックスが事故を起こしたシーンは、1994年に亡くなったF1レーサーのアイルトン・セナをどうしても思い出してしまうんだけど、モチーフっぽい感じします。

 

激走戦隊カーレンジャー第9話「星(スター)へのUターン」はDVDのVol.1に収録されています。


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