まだ設定固まってないから
全編を完走後に改めて見直すと、設定や物語の方向性が固まりきっていない故の不安定さが強い回と言える。
初めてカーレンジャーを見る人にとってはなんてことないことが、周回してると気になってしまうんですよねぇ……。
キャラクターの性格設定
今回は菜摘と洋子の大喧嘩がメイントピック。
仕事に対する考え方の違いがきっかけになっているものの、ケンカの仕方が罵り合いに終始していて幼稚なんですよ。陰惨な方向に向かわなかったのは救いですわ(;´Д`)
結局ケンカの収め方が分からなくなってしまって、2人で恭介を殴って手仕舞いにしている。これって根本的解決になってないよな?
「仲直りのきっかけが掴めない」というのは子どもにはありがちな話で、そのへんはメインターゲットの年齢層に合わせたんだと思います。ケンカをしていてボーゾックに笑われるっていうのも、子どもへの教訓っぽいし。
でも菜摘と洋子は19歳の設定なので、もうちょっとケンカへの経緯や心理的葛藤や解決への道筋を丁寧に描いてくれたら良かったなぁと思ってます。
性格で言えば、菜摘は理性的なところがキツイと思われがちなんだけど、一方で思いやりがあって気遣いのできるお姉さん的キャラ。洋子から価値観を理解されなかっただけで「そんなことだから彼氏ができないのよ!」なんていきなり言わないと思うんだよなー。
洋子は子どもっぽいから1時間もすればケロッとしてそう。昼間に始まったケンカを日が沈むまで続けるほど根に持つタイプには見えないな。
直樹は最後までキャラが固まらなかった印象があるけど、一人称が「僕」だったり「チョロいもんです」とか、まぁ後期には言わないようなセリフが飛び出てますね。
しかしながら、このような違和感を単純に「設定固まってないから」という理由のみに収束させるのは惜しいので、あえて別角度から見てみると年下組はまだ10代という設定に目が止まります。
菜摘・洋子・直樹の年下組はハイティーンであり、人間形成の段階で言えばアイデンティティが確立される時期です。
集団(学校・家族・社会)のなかでの「自分の役割」や「自分自身のありかた」を獲得していく年齢層であり、『カーレンジャー』という物語においてもそれを模索するシーンが何度かでてきます。とりわけ次の7話は顕著です。
年下組が、肉体的にも精神的にも不安定な状態であるということを知る回だったのかもしれません。
現実、まぁ違うだろうけど……😅
カーレンジャーの技
まるで技の見本市のように戦闘シーンで戦い方を見せている回でもあるけれど、技の名前がついてるのに今回しか出てこない個人技が多い。
ピンクのバイブレードおかえしワイパーとか、イエローの激走メカニックばらしとか。
その場の思いつきで戦うっていうのは、良く言えば臨機応変に動けるってことなんだけど、悪く言えば場当たり的ですね。
カーレンジャーらしいと言えばらしい。
そこも不安定要素だと思ってます。
「QQキュータンの死はなんだったのか」
ボーゾックの目的は「地球を花火にすること」だったのに、違う目的で地球にやってくることが多くて忘れてしまいそうです!
今回もゾンネットの気まぐれで「こーんな形のネックレス」を探しに来たQQキュータン。
それはネックレスではなくてレインボーブリッジだったというオチ。
当のゾンネットからは「なーんだ、馬鹿らしい」と言われ、グラッチは「QQキュータンの死はいったいなんだったんだ……」と視聴者の気持ちを代弁してくれるが、ゼルモダから「そんなこと考えたってしょうがねぇだろ」とコメントされる。
まったく、カーレンジャーを考察しても無意味だってことがよく分かる!
小ネタ
ペッパー警部
実が車内でピンク・レディーの「ペッパー警部」を歌ってるんだけど、明らかに口の動きと合ってないんで(もっと言えば振り付けも違う)、実際は何を歌っていたのか気になる。
でも、ピンク・レディーっていうセレクトには共感します。彼の少年時代のアイドルだったんだろうね。また、このとき「次はワタナベさんちで商談かぁ」って言ってますけど、渡辺勝也監督から取ったのかな、と思ってます。
お待たせ
カーレンジャーでは戦闘に遅れてきたほうが「お待たせ!」って言うんですけど、グリーンレーサー発祥かと思っていたら、今回レッドレーサーがグリーンレーサーに言ってますね。これが最初の「お待たせ」かも?
声優さん
ドラマ付き音楽カセットテープ『激走戦隊カーレンジャー〜げきそうドキドキ放送局』のなかで、恭介が「声が渋すぎるQQキュータン」と言っていますが、QQキュータンのCVはアニメ「巨人の星」で星一徹を演じた加藤精三さん。渋すぎるはずだぁ!
激走戦隊カーレンジャー第6話「私達…一方通行」はDVDのVol.1に収録されています。