もしも1996年に戻れたなら、激走戦隊カーレンジャーをリアルタイムで見るのはもちろん、キャストが出演するイベントを追っかけたり、灼熱地獄と言われた東映大泉撮影所の大泉シネファンタジーに行って、展示されていた野生の車や実くんの車なんかを写真もとるし、あと『てれびくん』のテレホンサービス企画『カーレンコール』を毎月録音するし……なんて夢を見ると止まらないわけです。
ただ、あの頃の日本の先行き不透明感を思い出すと無邪気に「96年に行きたい」とは言えなくなりますな。
まぁ現実には時間跳躍できないので、「1996年に跳んだオタク女子が、30歳のオタク知識で13歳をエンジョイ!」するマンガを紹介します。
96年のオタクシーンを知っていても知らなくても面白いマンガだよ!
とりあえずあらすじ!
「──命を賭けても守りたいものはあるか?」
「ある」
それが私、城之内はとこ(30)
命よりも守りたい同人誌をカラダでかばった結果、
気がつけばタイムスリップしてました。
1996年、13歳になってました。「聞いてないよ、人生───!!!」
カラダは13歳ココロは30歳のアラサーが
二度目の人生を駆け抜けるッ
ポジティブ・タイムスリップレジェンド!
文字通りオタクがタイムスリップする話なんだけど、現代に戻るべく奮闘することはまっっったくない!
むしろ96年のアニメ・マンガや中学生生活をエンジョイしまくってる!
そして中学生なので、「日本の先行き不透明感」なんかを気にすることはミリも無い!
中身30歳の女子中学生が持ちうる知識・資源をフル活用して、96年のオタク道をひたすら疾走していくギャグマンガです。
96年のオタク女子
これが96年のアニメ・マンガシーンだ!
引用:『タイムスリップオタガール』1巻50ページ
引用:『タイムスリップオタガール』2巻95ページ
当時品に触れて感涙する姿とかオタクのリアリティやん笑
オタクが主人公なだけに、アニメ・マンガ作品が洪水のように登場します。
実在する作品も一部伏せ字やキャラが目線入りで登場しますが、知らないまま読めるし知らなくても楽しいです。
知っていたらより楽しいと思いますが。
残念ながら3巻までに激走戦隊カーレンジャーは出てこないんだよね〜〜!
いつかちょっぴりでも出てきてくれたら嬉しいな!
ところでお金のないオタク中学生がいかにオタクライフを楽しむか、覚えておいででしょうか。
オタク友だちと集って、イラストを描いて回覧したり、昨日見たアニメの感想を言い合ったり!
休みの日に1時間も自転車漕いで本屋さんに行ったり……。
はとこもそんな中学生ライフを過ごすうちに、『マンガを描く→マンガ家になりたい』というこの頃の夢を思い出して夢中になってノートに描いていきます。
引用:『タイムスリップオタガール』1巻146ページ
30歳のはとこも妄想力たくましいのですが、中学生になって脳細胞が活性化しているのかノートにイケメンを描き殴るだけにおさまらず、表情にも言葉にも妄想が漏れ出てくるところなんてオタク中学生あるあるなんじゃないでしょうか!?
バック・トゥ・ザ・中学生ライフ
中学生くらいだと「オタク女子が集まってるよ〜キモー!!」なんてからかう男子がいませんでしたか!?
私は教室で週刊少年ジャンプ読んでたら「ジャンプ女〜〜」って言われたことあります。これも中学生のときだったなぁ……
『タイムスリップオタガール』にもオタク女子をウザがる男子が出てきますが、はとこは中身が30歳なのでそんなイジメを気にも留めない。
30歳までの経験値で「相手はまだ14年しか生きてないから子どもだ、しゃーない」と対応できる。
「中身が大人」っていう設定を最大に活かして、タイムスリップ前のはとこ(14)しか知らない周囲の人たちの彼女を見る目が少しずつ変わり、彼女の未来も変わっていく予感に満ちています。
こういうの、ホント好き。
あと、はとこが勉強でも球技大会でも人間関係でも「再びの中学生生活」を心から楽しんでいる様子が、ほんっとに煌めいていて
ふぁぁぁあああSEISYUN!!
って思った。
学生のときはイヤイヤやっていたことが、大人になると楽しいぃィィィ!んだよねーーわかりみ。
まとめ
96年を経験したオタクには「分かる!」「懐かしい!!」シーンが盛りだくさんなんだけど、96年を知らないオタクにも「同人便箋」「サークル会報誌」のような廃れた文化が興味深く思えるんじゃないでしょうか。
つまり、どんな年齢のオタクでも面白く読めるマンガって一言に尽きる!
ただちょっと不安事項としては、小さい文字でページが埋まってる(オタクが主人公だから……(´ε`;))のと、はとこの語尾が「ござる」っていうのは、ちょっと苦手に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
現在(2018/07/23)までに3巻まで発売中なんだけど、一気に読んで続きが楽しみです!