カーレンジャー上映会を主催した立場から考えたこと

特撮
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シン・ゴジラ、キンプリ、プリパラなど近年の映画では通常上映の他に、スクリーンに向かって声を出したり、うちわやサイリウムを振ったり、コスプレして映画を楽しむ応援上映形式が流行っていますね。

「わいもやりたい〜〜! でも応援したいほど好きな映画も今のところ無い〜〜〜!」

とモヤモヤしておったんですが、

「無いなら自分で企画運営したらいいんじゃね!?💡💡💡」

とバカが安易に考えた結果、わたしが応援したいほど好きなコンテンツ『激走戦隊カーレンジャー』を映画館並の施設で上映してきましたよ!

放映終了して20年以上経っているのに色褪せない面白さに溢れた『激走戦隊カーレンジャー』を制作してくださったみなさん、わざわざ交通費かけて会場に来てくださったみなさん、参加できなくてもこの上映会を応援してくださったみなさん、そのほかめちゃくちゃたくさんの方たちのお陰で実施することができました。

「本当にありがとうございました!」

これだけは本当に声を大にして言いたい。あまねく世界に轟かしたいくらい感謝を表現したい。

上映し終わって場内から沸き起こった拍手を後ろの調整室で聞いたとき、一瞬で胸が一杯になるほど嬉しかったです。
カーレンジャーが好きな人が集まって、この最高な物語を応援できる幸せって、今までにない感覚でした。これって、この場にいた人しか味わえないんだなぁって思ったら、開催できて本当に良かったし、みなさんよくぞ来てくれた!みたいに溢れる幸せで頭がおかしくなりそうだった(表現力絶無)

せっかくなので、個人で応援上映会を開催するまでに準備したことや当日の様子もちょっと振り返ってみたいと思う。
こういう上映会をやりたいと思ってくれる人がいるかもしれないし。
個人的には「面倒なこともたくさんあるし積極的にはおすすめしないけど、それでもやればやっただけ得るものがある」って考えてます。

当日のレポートだけ読みたい人はこちらから。

1)上映会に関係する法律

企画当初から「身内だけでなく広く参加者を募って実施したい」と考えていました。応援上映って、その場に居合わせて誰かが発した言葉に新しい知見をえたり、会場の一体感を得ることが醍醐味だと思っているので、どうせやるなら良い施設で大人数でやりたかった。

それに、こんなイベントでも自ら作らないことにはファン同士が集まる機会もなかなか無いだろうし。10代20代のファンもわたしみたいに放映当時から大人のファンも、カーレンジャーをネタに話せる場所があるってとても素晴らしいことで考えただけでワクワクした。

普通に考えて著作権の上映権に抵触するだろうけど、例外条項があった気がする……と思ってたらやっぱりあって、それが第38条第1項の規定。

公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金 (いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。) を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

かいつまむと、主催者が経済的・社会的利益を受けず入場無料にするなら(ゲストを呼ぶなら報酬が発生しないなら)、権利者から許可を得る必要もなく上映して構わないっていう内容だよ。
権利者から許可を得る必要がないって言うことは、東映のホームページやDVDディスクに「許諾のない上映会禁止」って注意書きが書いてあっても、この条件を守った上映会なら無視してOKってことだねぇ。強い。

ちなみにこの条文で認められているのは「(一定条件下で)権利者以外が自由に上映できる権利」だけなので、他の部分で著作権に抵触したら台無しだ。そこはめちゃくちゃ気を使った部分ですね。自分で調べもしたし、法律家に確認も取って、「確実に問題ない範囲」で実施しました。

正攻法で権利者に許可を得て(使用料を支払って)上映するのもいいけれど、個人にはハードルが高すぎる。そこで法律で認められている権利を行使することにしました。別にどちらも間違いではないし、遠慮することも恥じることもないです。

2)会場の条件

「映画館並に大きいスクリーン」「長時間見ても疲れない椅子」「上映中に声出し可能な会場」「20〜30人以上の定員」「予算の範囲」など条件を出していきました。

調べた範囲では条件に合う会場が都内では見つからなくて、神奈川県の公共施設に決めました。
地理的条件を除けば、ほぼ理想的な環境でした。
予算面での条件については、主催者が複数人で費用を折半しあえばより理想的な施設が見つかったのかもしれませんが、友だちがいないって寂しいことだね……

下見をしたり、電話で何度も連絡取ったりしたんですけど、施設側の対応が丁寧で親切だったので安心して使えた会場でした。

3)開催時期

施設の予約ができたのがこの日しかなかったというのが最大の理由なんですが、年度末だし社会人は調整が難しいかもなぁって思ってました。私も忙しかったし。
学生さんは春休みでちょうどいいのかなぁ?って予想してたんですけど、参加者数が少なくてよくわかりませんでした。「公式のイベントや岸さんの舞台期間とバッティングしませんように 🙏」と願っていたのは叶えられたんですけどね。

4)広報

友だちがいないので集客面で苦労するだろうなーとは予想してたんですけど、案の定最後まで大変でした。
当初見込んでいたターゲット層は「カーレンジャーのファン」で、一応それは最後まで貫いたんですけど、告知しているうちに「初めてカーレンジャー観る人が来ても、それはそれで楽しめるのかも?」という思いが湧いてきました。

カーレンジャーの物語は非常にシンプルですし、視覚的にキャラクターや状況が分かりやすいつくりになっているので、今回の上映会のように数話だけの視聴でも楽しめるように思えます。実際、ホールの入り口に案内板(アイキャッチの画像です)を出していたらその場で興味持って下さった方が何組もいらっしゃったようです。

広報活動はネット上だけで行っていたのですが、例えばポスターを作って施設に貼るとか、地道にやってたら良かったのかなぁ?と少し後悔もした(しかし予算があまりない…)

やろうと思ってできなかったこともあって、「初めての応援上映」をイラスト付きで解説するっていうコンテンツ。
例えば「応援上映だからといってずーっと声出しっぱなししなきゃいけない訳じゃなくて、座って観てるだけでもいいし、声出してもだれも邪魔に思わないよ」みたいな話をね、わかりやすくプレゼンして「応援上映」っていうだけで恐れる必要ないよって伝えたかったなぁ。

集客に苦労したんだけど、それはこの企画に興味のある人が少なかったのではなく、単純に興味のある人が知らないままだった、興味がある人のところに広報が届かなかったからだと思います。そういう感触がある。
「あなたに関係ありますよ!」って伝えきれなかった。

時間的には充分あったはずなので、広報の方向性や内容が貧弱だった、というのが私なりにだした結論ですね。

こういうとき、相談しあえる人がいると心強いよね。
(わたしが真っ先にやることはイベント運営じゃなくて友だちづくりなのか?)

5)ランディングページ

概要や申込方法や注意事項を1ページでまとめたアレ

1ページで全部分かるようになってるLPですが、1つ失敗したなぁと思ったのは、注意事項を多めに書いてしまったこと。
初回で「誰がくるか分からんからな!」と書きすぎてしまった気がする。

書いた当時は適切な分量だと思っていたのでそうなったんですが、LPでは「この上映会に来るとこんな楽しいことがありますよ」「ここでしか味わえないことはコレです」といった、参加したことによって得られるだろう未来を表現するべきでした。

注意事項が多いと厳しい印象を受けるので、上映会でたのしい未来を得るためにはこういう注意事項を守ってねーっていう構成だったら飲み込みやすかったと思う。

6)アンケート

『応援したい回を3つまで選んで』っていうアンケートを募集してました。結果、楽しい回ばかりになって応援しやすかったです。
投票数は少ないんだけど頂いたコメントに共感したので上映した回もあります。

アンケートしたのは上映話を決めるほかに、上映会そのものも応援してほしかったっていう思惑もありました。
いやらしいけど、ちょっとでも心理的距離感が近づくきっかけになってほしかった。わたし一人が旗振って最初から最後まで仕上げるんじゃなくて、みんなで作り上げてるって感じてほしかった。

投票された方がどう思われたかはわからないんですけど、そういう仕掛けでした。

7)しおり作成

4ページのしおり

当日、受付時に参加者さんだけに配りました。内容はタイムスケジュール、ホール見取り図、注意事項、アンケート集計結果。
無くてもいいけどあれば楽しいと思って作りました。完全に趣味の範囲。

また注意事項かよ!と思うかもしれませんが、本当に大事なことはしつこいくらい伝えないと、伝わらないんですよね。

 

当日までに準備したことを振り返っただけでこの多さ!笑

いや別に、やることの多さ・大変さをアピールしたいわけではなく、感謝してくれよなとも思っておらず、ただ苦労を乗り越えられるだけのやりがいはありますよ。
一人反省会してても、自分でやったからこそ分かることが多い。改善点は見つかるし経験値も貯まるし、参加者さんには喜んでいただけて、カーレンジャーは改めて面白い。

重ねてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

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