【ネットワークビジネスに何故染まるのか】ニューカルマ(新庄耕)の感想

ニューカルマ表紙




みやこでーす。独身でーす。

突然だけど、新興宗教とかネットワークビジネスに誘ってくる人って雰囲気が似ていませんか?

元気で人当たりが良くていつも笑顔で友だちが多くて、「毎日幸せ! 子どもと夫から元気をもらって前向きに生きてまーす!」って全身でアピールしてるような人……。

一言で言うと、テンションが高い!

こういうタイプの主婦から勧誘されることが度々あってすっかり偏見が身についてしまい、第一印象が「明るすぎる人」には警戒するようになってしまいました。

 

で、こういうタイプの人を観察して気づいたんだけど、この人たち中身が伴ってない感じなんだよね。

例えば人生って100%成功! ってこと無いじゃないですか。

一生懸命やるほど失敗や挫折の苦い経験が積み重なっていく。

逆に言うと、その苦い経験の多さが成功への道を作っているといっても過言ではないんだけど、勧誘してくる人って「嫌なことなんて一つもないです、全部素晴らしい経験!」みたいなこと言うから嘘っぽいんだよなー。

 

前置きが長くなったけど、わたし自身は新興宗教の教祖のセミナーまで行ってもめちゃ話がつまらなくて時間の無駄、もううんざりしちゃったんだけど、逆に「宗教やネットワークビジネスにハマる人の心理ってどういうもんよ?」という関心が湧いてきて読んだのが『ニューカルマ』という小説です。

ニューカルマのあらすじ

大手総合電機メーカーの関連会社に勤務するユウキ。かねてから噂されていたリストラが実施され、将来に不安を募らせる中、救いを求めた先はネットワークビジネスの世界だった。成功と転落、失ってしまった仕事と友人…。あげく、ユウキが選び取った道とは―。

ネットワークビジネスの胡散臭さに最初は警戒心を抱いている主人公ですが、「すごい人に会えるめったにない貴重な機会だから」とセミナーに誘われ、渋々参加すると「この会社は社会貢献もしている」と耳障りのいい誘い文句に絡み取られて、ネットワークビジネスに手を出してしまいます。

これね、私が新興宗教に誘われたときと大体同じ展開なの笑

フォーマットが完成されているんだろうね。

 

主人公のユウキも「どこにでもいる普通の若手社会人」で、最初から「金持ちになりたい。お金に苦労したくない」って野望をもってたわけじゃない。

それがちょっとしたきっかけでズブズブにはまり込んでいくってことは、誰にでも起こりうるんだろうなと思います。

そういうリアリティがあって、寒気を覚えるような小説です。

勧誘と承認欲求

新興宗教団体でもネットワークビジネスのコミュニティでも、褒めることが上手な人が多いです。

おだてるような褒め方じゃなくて、能力や実績を認めたり「自分は価値のある人間だ」という気持ちを高めるような褒め方です。

そういう人が多い組織は、居心地がいいんですよ。

だから、「承認」は経営や教育の現場で取り入れられ、個人と組織の成長に一役買っています。

 

『ニューカルマ』の主人公ユウキも、お金よりも「認められたい」「自分は凡人ではない」という気持ちを満たすためにネットワークビジネスにどっぷり浸かっていきます。周囲が止めるのも耳に入りません。

もしかすると、私を新興宗教やネットワークビジネスに誘ってきた主婦の方たちも、自分一人では満たすことのできない気持ちを埋めようとしてもがいていたのかも……と思うことがあります。

家事をしても家族から褒められることも無く仕事をしていても思うように働けず、結婚以来まるでどこかに置き去りにされたように感じる女性は多いです。

 

「承認欲求が満たされていない」という自覚がないまま勧誘活動に熱を上げているとしたら、永遠に心の空白が埋まることは無いのだろうと想像できます。

この小説のラストシーンは、人によって受け取り方が大きく違いそう。

著者は「必ずしもバッドエンドではない」と言ってますけど、私は飲み込みづらいものを感じます(´ε`;)ウーン…

まとめ

私は信頼している友人から誘われたので、「彼女を友人だと思っていたけれど彼女はそうではなかったんだなぁ」と寂しく思いました。

 

『ニューカルマ』でもユウキに繋がっていた人脈が次々と細くなっていきます。

ネットワークビジネスは、まるで人間関係をお金に変えるシステムのようです。

でも、お金では人間関係は買えません。一度換金してしまったら、情で繋がっていた友だちは消えてなくなります。

 

ネットワークビジネスだってビジネスなんだから、大きく展開していくためには友情も踏み台にすべきって考え方を持つ人もいるけれど、私はそこまで割り切れないから、ラストにもモヤモヤするんだろうなー。

 

私にはユウキの行動には共感できなかったけれど、「承認」を求める気持ちはよくわかります。

誰もが陥る罠だと思って、用心するしかないのかなー……。

それにしても、どうして私みたいな貧乏なオタクに目をつけたんだろ(´;ω;`)


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