2018年11月現在、東映特撮YouTube Officialで、1986年作品『時空戦士スピルバン』が毎週木曜日に2話ずつ更新されています。
同年、スーパー戦隊シリーズでは『超新星フラッシュマン』が放映されています。
どちらの作品も、主人公は家族と離れ離れになるというシリアスな事情を抱え、敵側とも浅からぬ因縁によって単なる勧善懲悪に収まらない悲劇を描いているという共通点があります。
私も2作品から大きな影響を受けていまして、ストーリー的に見ごたえのある作品ですよ!
さて、その2作品の主人公が表紙を飾っている本が朝日ソノラマから翌1987年に出版されています。
これはきむら・ひでふみさんの短編集でして、オリジナルヒーローの連作短編のほかに『超新星フラッシュマン』と『時空戦士スピルバン』の短編が収録されています。
両作品のケイブンシャの大百科に掲載されていたマンガを再録しているんですね。
どちらのマンガも、本編のコミックス化ではなくて設定を活かしたオリジナルストーリーです。
超新星フラッシュマン『輝きのメモリー』
盲目の少女ゆみと友達になったフラッシュマン。
改造実験帝国メスはゆみを誘拐してフラッシュマンの動きを封じようと画策する。
引用:『ヒーローはいかが?』166ページ
マスクのゴーグルが開閉して素顔が見える演出「シャットゴーグル!」はオープニングや本編で印象的に使われていて、衝撃的に格好良かったです。
きむらさんのマンガでもシャットゴーグルしてますね。
時空戦士スピルバン『流すな涙!戦え双戦士(ツインファイター)!!』
スピルバンは必殺技が効かない敵ガボと対峙する。
ガボは生物の頭脳に機械の体を持つ戦闘サイボーグだった。ガボはスゼロウ将軍にコントロールされる。
引用:『ヒーローはいかが?』170ページ
サブタイトルも本編と似た調子ですよね。
少女マンガのように細い線で描くメカニカルなスピルバンは、強さとしなやかさが相まってマンガならではの表現になってます。
まとめ
きむら・ひでふみさんの描くヒーロー作品は、ストーリー表現が重視されているのが幼年誌に掲載されているものとの大きな違いだと思います。
どちらも16ページほどの短編なんですけど、作品愛が見え隠れして良いなあと思います。
80年代の特撮同人誌は二次創作よりも研究誌やインタビュー誌のほうが多い気がしますので、ストーリーマンガは珍しいかなーと思って紹介しました。